「いや、特に何もやること無いから」 「ふーん……」 そして、彼女も教室をぐるっと見渡した。 三人の中で沈黙が生まれる。 「――おはよう、清水くん」 最初に沈黙を破ったのは、部外者である転校生、蘭だった。 自己紹介もしてないのに、なぜか彼女は廉の名字を言った。 その状況に戸惑いながら、廉はしどろもどろに返事をした。 「おはよう。えーっと……山吹さん?」