「何?今の」 「何でもないわ」 リュカへ顔を向けるが、適当にあしらわれてしまった。 秋特有の、冷たい風が頬を撫でる。 頬の傷口が小さく疼いた。 「気配が消えた……」 「それはよかった」 「今日はもう帰りましょう」 「そうだな」 鎌にもたれ掛かるように立っている廉。 彼は体を引きずるようにし、リュカと共に帰路についた。