「――上!」 リュカが上を見て、慌てたように声を出した。 大して構えていなかった廉は、その場任せで鎌を振る。 大鎌に体重を持っていかれそうになり、少し前へつんのめった。 当たったのか、ルビーが赤く光る。 それでもなお、リュカの指示は止まらない。 「右!後ろ!前からも来てる!」 「追い付かねーよ!」 「そんなこと言ってる場合じゃない!」