「失礼な!そんなことねーよ!」 「分かったわ……今度は6時の方向!」 「……」 廉の動きが止まる。 そして、苦笑いをしながら彼女のいる方へ振り向いた。 その瞬間、廉のローブの裾が少し裂けた。 「……やっぱり、もうちょい簡単に言ってくんね?」 「……今更言うのも何だけど、アナタってバカなのね」 リュカは呆れたように、自分の頬に手を添える。 言い返そうと廉は口を開くが、全く言葉が出てこない。 彼は大人しく口を閉じ、ムスッとした表情になった。