悪態をつきながらも、しっかりと前を見据える。 いくら目を凝らしても、廉に敵の姿は見えない。 彼は鎌を構え、攻撃する体勢に入った。 「いい、そこから一歩も動かないこと。それだけは約束して」 「了解!」 リュカは眉をつり上げ、周りの様子を真剣に探り始めた。 そして。 「今よ!10時の方向!」 「10時ってどっちだよ!」 意味が分からず、手探りで鎌を振り落とした。 しかし、何の手応えも感じられなかった。