「感心してる場合じゃない!」 廉の背中に回り、手を組むリュカ。 そして、不思議な気圧で廉の背中を押す。 彼は、よろけるようにして一歩前へ出た。 「いきなり押すなよな」 「うるさいわね!もっと集中しなさいよ」 リュカに言われ、真剣に辺りを見回す。 しかし、悪魔に取り付かれた人どころか、空気の変化さえ全く感じ取れなかった。 「なぁー、ホントにいるの?」 「いるじゃん。そこに」 「いや、見えないから」