その夜、廉はいつもの倍以上の首を刈った。 家を出た途端、リュカが気配を察知した。 そこから彼女の気配が途切れる事はない。 血は出ないとは言え、普通の男子高校生にとって、首刈りはキツい。 肉体的にも、精神的にも廉は参っていた。 「ねぇ、休んでる暇はないって」 「うるせーよ……」 廉のアホ毛を引っ張り、必死に彼を立たそうとする。 しかし、廉は公園のベンチに座ったまま、顔を上げようとしなかった。