「浮かれてない!!」

二人の声がピタリと揃う。
楓は再び、呆れたようにため息をついた。

「まぁ、いいや。とにかく、みっともないから止しなさいよ」

それだけ言うと、彼女は二人の元を去っていった。
その背中を呆然と眺める二人。

「何だったんだ?」

「さぁ?」

そこまで浮かれていたとは思わない。
二人は首を傾げた。

「あの子……」

そんな中、ただ一人、リュカだけが険しい顔で彼女の背中を見送った。