「まぁ、人の都合なんて、コロコロと変わるものだろ」 「そうなのかもね……」 廉の説得により、納得したように頷くリュカ。 彼女は意味もなく、両手にはめてある、黒いリストバンドを弄りだした。 「おい、廉」 「な、何?」 急に正紀に呼び掛けられ、驚いた廉の声が裏返った。 もしかしたら、独り言をブツブツ言っていたように見えたとか…… 内心ビクビクしながら、彼は正紀の顔を見る。 しかし正紀の視線は廉ではなく、後ろの窓の桟の方へ向いていた。