「転校生、ねぇ……」

窓の桟に座っていたリュカが、遠い目をして呟いた。
廉の顔が彼女に向く。

「どんな子なのかしら?」

「さぁ?」

周りに気付かれないよう、小声で返事をする。
リュカの顔は、なぜか険しくなった。

「でもこの時期に転校生って、少しおかしいと思わない?」

「……」

今は秋。
夏休みが終わってから、だいぶ時間が経っている。
不自然と言えば、不自然かもしれない。