廉が不思議そうに首をかしげる。 すると、なぜか正紀は残念そうにため息をついた。 「やっぱり、廉には観察力っていうモノが無いんだな」 「何だよ。別にいいじゃんか。探偵なんて目指してないし」 「心配するな。お前の頭脳でそんなもんには、絶対になれない」 「だよなー」 廉は眠気を払うように、その場で伸びをする。 そんな彼に向かって、正紀は隣の席を指差した。