「おはようさん。朝から寝てるなんて、よっぽどの暇人なんだな」

朝から毒を吐きながら、廉の隣の席に鞄を投げる正紀。
廉は目を細め、伏せていた顔を上げた。

「何だよ。そんなこと、オレの勝手だろ」

「あぁ、勝手だよ。だけどさ、もう少し周りを見ろよ」

「は?何で?」

言われるがままに周りを見回す。
特に変わったところはない。

「別におかしな所なんてないぞ?」