リュカはフンと鼻をならすと、首の無い胴体に向かって両手を構えた。

徐々に身体が光に包まれていく。
やがて光が消え、刈り取ったはずの男の首がキチンと胴体に戻っていた。

「相変わらずスゲーな」

「当たり前よ。これで身体は元通り。どうせ、今の記憶なんて残ってないわ」

そう言って、その場を後にするリュカ。
廉も無言でついていく。

しばらく歩き、今日はもう気配が無いとリュカが断言した。

そうして彼の夜は過ぎていく。