カトレアが目を瞑る。
正紀が息を呑む。
リュカが目を見開き、行く末を見守る。

しかし、刃は彼女の身体寸前で止まった。

「……え?」

カトレアはゆっくりと目を開けた。
そして、目を見開く。

「何で……」

廉の鎌を持つ手は震えていた。
彼は真一文字に口を結び、下を向いている。

やがて、彼は鎌をゆっくりと下ろすと膝をついた。

「死神とか言ったけどさ……やっぱり、オレには無理だ」

掠れた声で小さく呟く。
口許は、自分を嘲るかのように笑っていた。

そんな彼を呆然と見下ろすカトレア。