「あら?人に裏切られるのは初めて?」 「……」 「そうみたいね」 カトレアが笑う。 リュカの顔が歪む。 「……とんだ偽善者だな」 今まで静かだった正紀が嘲笑う。 彼は立ち上がり、廉のそばへ寄った。 「大丈夫か?」 「あ……うん……」 小さく頷く廉。 その顔はどこか辛そうだ。 「リュカ、そろそろ……」 「そうね」 正紀の問い掛けに、リュカは頷く。 彼女は廉の大鎌に近付き、ルビーに手をかざした。 ルビーが赤々と、燃えるように光る。 それを確認すると、彼女は廉の頬を思いきりひっぱたいた。