レンが嬉しそうに訊いてくる。
正紀は首を振った。
「それもあるけど、一番の理由じゃない」
「は……？」
レンが首をかしげる。
正紀は震える声で言った。
「これは、別に『レン』だろうと、『廉』だろうと関係無い」
「は？じゃあ、何だよ」
「俺はなぁ……『廉』の姿で女のコとイチャイチャしてんのを見させられるのが、一番腹立つんだよ!!」
「何だよ、その超個人的な理由！」
「うるせぇ！黙れ!!」
そして、レンに向けて容赦なく撃つ。
彼は鎌でガードしながら、正紀に向かって声をあげる。
「どうせ僻(ひが)んでるだけだろ？」
「僻んでねぇ！」
正紀の怒りのボルテージは上がっていく一方だ。
