「……違うね。いつもの廉だったら、そんな変な顔しないし!」
「変な顔とは失礼な」
「とにかく、廉を出せ!!」
「……」
レンの顔が変わる。
無表情になり、静かに正紀を見つめた。
正紀が一瞬たじろいだが、すぐにレンを睨み付けた。
緊迫した空気が辺りを包む。
リュカも、何とも言えないような顔で二人を見守っていた。
「……ふうん」
先に沈黙を破ったのはレンだった。
横に落ちている鎌を拾い構える。
そして彼は唇をゆっくり舐め、獲物を見付けたときのような目で、正紀を見据えた。
「言っても分からないなら……その身を持って、思い知るがいい!!」



