夜八時頃。
廉は他の服に着替えていた。

白いYシャツにカフスボタン。
黒いネクタイ、ベスト、ズボン。

今日もアレが始まると思うと気が重くなる。

彼は小脇に黒い布を抱えると家の階段を降りていった。
そして、リビングのドアを開ける。

「じゃあ、行ってきます」

「行ってらっしゃい。あんまりマスターに迷惑かけないように!」

「ハイハイ」