「何が起きてるの!?」
リュカも頭を抱え、混乱している。
椅子から落ちた古文書に近付き、ページを捲る。
「お前……」
正紀が呟く。
その時、動かなかった廉が小さく咳をした。
「廉!!」
肩を叩く。
廉がゆっくり顔を上げた。
「大丈夫か!?何があった――」
笑顔のまま、正紀の表情が凍りつく。
廉は無表情のまま、彼を見つめ返した。
「……何?」
「……」
「黙ったままじゃ分かんないって」
「……」
正紀は廉から目を逸らした。
彼の反応を見て楽しんでいるのか、廉はわずかに口角を上げる。
「何で……お前さ、目どうしちゃったんだよ!!」
絞り出すように叫ぶ正紀。
それに応えるように廉は――レンはニヤリと笑った。



