学校が終わり、帰路につく。 廉の家は、学校から自転車で大体二十分くらい。 家と学校は同じ市内にある。 部活も何もやっていない彼は、鼻唄を歌いながら自転車を漕いでいた。 家に着き、玄関のドアを開ける。 両親が共働きなので、彼を出迎える人は誰もいない。 「なーにが死神だよ……幸せになれるとか……くだらない」 部屋に入り、ボソリと呟く。 特にやることもなく、彼は意味もなく自分の机に腰掛けた。