勢いよく立ち上がり、正紀は廉を睨む。 しかし廉は全く動じず、静かに口を動かした。 「大鎌と鉄パイプじゃ、鉄パイプの方が動きやすいに決まってる」 「だからって――」 「まずは、楓の武器を取り上げてからだ。そっからオレは首を刈る」 「じゃあ、その間は?」 「正紀、お前に任せた」 廉はニカッと笑うと、痛そうに腕を押さえ、ベンチの方へ歩いていく。 正紀は何も言わずに、廉の背中に拳銃を向けた。 引き金を引き、大きな音が鳴る。 弾が廉の頬を掠め、彼は驚いたように振り返った。