「廉……!」 そこには両腕を交差し、肩で息をしている廉が立っていた。 黒い大鎌もローブも見当たらない。 彼の腕にパイプが当たり、ワイシャツの腕の部分に赤い染みが広がっていた。 そんな廉に対し、正紀は無傷だ。 廉から楓が離れ、三人の間に距離が生まれる。 「お前……武器とローブはどうしたんだよ?」 「そこに置いてきた。だって邪魔だったし」 「そう言う問題じゃねぇ!」