「やばっ!」 ハンマーを下ろし、引き金を引く。 しかし、彼女に当たらない。 彼は腰からもう一丁拳銃を引き抜き、両手で構える。 「そんなオモチャ、いくら出したって無駄だよ」 「なっ……!」 楓の目が赤くなる。 正紀は目を見開き、銃を構えたまま凍り付く。 楓はニヤリと笑うと、飛びはねながら正紀に鉄パイプを振り落とした。 ガツンと言う鈍い音と共に、正紀が尻餅をついた。 パイプが当たって切れたのか、ポタポタと血が滴り落ちる。 彼は目を丸くし、唖然としながら呟いた。