「そう、それでいい。行ってこい」 廉の背中を押す正紀。 廉はよろけながらも、彼女へと足を踏み出した。 そんな彼の様子を、リュカが真剣な顔で見つめる。 廉はフードを深く被り、楓の前に立った。 楓はクスクスと笑い、彼に尋ねた。 「覚悟はできたの?」 「……あぁ」 「そう……じゃあ、私が殺してあげる!」 どこから調達してきたのかは分からないが、彼女の手には鉄パイプが握られていた。 後ろで正紀が銃を構える音がする。 廉も覚悟を決め、キッと楓を睨んだ。