「誰か助けっ……」 廉の言葉が途中で途切れる。 助けを呼んだところで、救ってくれる人など誰一人としていない。 押している手が震える。 いっそのこと、ここで諦めた方が楽になるのではないか。 最悪の考えが廉の頭を過る。 「ムリムリ!!」 「口動かしている暇があったら、手をもっと動かしなさい!!」 「オレだって頑張ってるよ!」 廉が目を閉じ、力を込め直そうとしたその時。 どこからとなく、銃声が聞こえた。 その瞬間、廉にのし掛かっていた重みがスッと引く。