束縛の呪文。 これを受けた者は、しばらく身動きが取れない。 そのようになるはずだった。 「嘘……」 相手は身をよじり、自力で術を解いた。 リュカの目が見開かれる。 相手の身体には、細い紐で縛られたような赤いアトが残っていた。 奴は虚ろな目でリュカを凝視し、おもむろに右手を挙げた。 そのまま手を降り下ろし、リュカを弾き飛ばす。 「キャッ!!」 「リュカ!!」 リュカが地面に伏せると同時に、廉が叫んだ。