先輩は五分程して、もう練習に戻らなきゃだからと言い、私にここで待つように言った。




先輩を私が待ってるこの状況が嬉しくて嬉しくてたまらない。



しかし、先輩のあの涙のワケはなんだったんだろう。



先輩の匂いは、あんなに砂埃まみれで汗をかいているのに、すっごくすっごくいい匂いがして、その匂いと先輩の感触を忘れないように思い出しながら私は先輩を待った。




一時間程して、先輩の最後の練習が終わったみたい。



ベランダから覗くと、顧問の先生を中心に生徒が集まり、なにやら話を聞いているみたい。