『キャンパスライフがどーしたってぇ
だいたいあたしたちは大学生じゃなく専門学校生だし…』

「ごめんなさい つい浮かれちゃって…
でも大丈夫だよ!
持ち札は奪わないから、亮クン!」

『あんたなんか勘違いしてない
亮は中学時の男友達!
まぁそのうち、あんたにも出来るよ、男友達…』

「男友達がいっぱい…」

ピロピロピロ

『はい、あっ亮』

亮クンからの電話であたしたちは皐の家で飲むことになりました。
緊張しているあたしは早いとこ酔っ払ってしまおう、そしたら緊張もほぐれると想い飲みはじめたのです。
おかげで緊張していたあたしは緊張がいつのまにかほどけていたのです。

「亮クン、聞いて聞いて聞いて!
あたしの昔話」

『おう!聞く聞く!』

「最初に一目惚れしちゃったのは宅配ピザの爽やか安田さん!」

『あはははは
爽やか安田!』

「だって爽やかなんだもん
笑顔が!
ちょー爽やか!
でもピザばっかり食べてたら3㌔も太っちゃって太り損…」

『桜!
それ以上飲むな!』

「いいんじゃん!
皐ちゃぁぁぁん!」

『で、次は
次は誰』

「次の人はねー」

次の人は名前も知らない人でした。
もう会えないかと思った。
名前も聞いてなかったから…
その人はあたしの耳元で自分の名前を言ったのです。
そんな名前どうせでたらめのくせだと思ったあたしでした。

吉田匠ー。

「やめて…
嫌だ!
嫌い…」

『もー桜あんた飲み過ぎだって!
ごめん亮!
気にするな!』

『いや…気にするよ…』

愛してもないくせに気安く触らないでほしかった。
どんどん自分が深みに落ちていくようだった。