「ふーん…」
「な、何勝手に読んで…」
パラパラとページをめくる新。さん付け?何ソレ知らない。
「ラブゲーム、か………あ」
「取ったぁ!」
新から携帯小説を取り戻した私は、達成感に包まれる。
こんな事で達成感なんて単純かもしれないけど、いいんだもん!
携帯小説をギュッと両手でクロスさせながら抱きしめて、私はギッと新を睨みつけた。
だけど新は私の方なんか完全無視で、「ラブゲーム…ラブゲーム」何やら考え込んでいる。
……まあいいか。
携帯小説も取り戻せたし、教室はまだ静かなままだけど、
気にしない気にしな「あっ!!」ビクッ!!
「な…何よ」
まさかまた携帯小説奪おうとするんじゃないでしょうね…。
「イイコト思いついた」
そう言って笑ったコイツの顔は、
…イタズラっ気満載の無邪気な顔だった…。