しどろもどろ、意味が分からなくて目を白黒させているゆうちゃんの横で、何で気づかなかったんだと悔やむ私。
傍から見たら変な光景だろうそれに、その光景を見ている人物が一人いた。
空き教室の窓から見える校庭からでも、廊下からでもない。
教室の天井の角に取り付けられたレンズから、私達は見られていた。
そしてレンズの向こうの人物は―…
「…………ブハッ」
耐え切れなくなったのか、ついに吹き出してしまった。
「!?」
「なんだ…?」
急に聞こえてきた声に、私はビクリと肩を震わせ、ゆうちゃんは訝し気にスピーカーを見上げる。
新………?
「クックッ…何だお前ら。どこの変人さんだよ」
クツクツと、スピーカーから新のくぐもった様な笑いがこぼれている。

