「でも、コイツ逃したらもう女子捕まえらんねえかもよ?」


「そうだな…あ、榎本、女紹介してくれよ!」



私も女なんですけどね?



「おー、いいなソレ」


「お、女…?」


「ほら、例えば葛原とかさ」



くずはら、って…



「知恵美ちゃん…?」



葛原知恵美。親友の名前が出たことに、私の眉間にはシワが寄った。



「お前らいつも一緒にいるじゃん?携帯とかで呼び出してさ、な?」




な?じゃないわよ!



「ふざけないで!」



私がそう簡単に友達、ましてや親友を売れるほど薄情なヤツじゃ無い。



「おー強気だなあ」


「じゃあ何?榎本が俺らの相手してくれるワケ?」


「…それは、」




絶対に嫌だ。



そう言おうと思ったけど、一旦止めた。



だって、そうしたら…