「あれ?榎本?」
…見つかった。
えのもと。私の名字だ。
「マジでいたよ」
「じゃあ俺らの話聞かれてたワケ?」
ズカズカと女子トイレに入ってきた男子達に、私はより体を縮こませる。
本当に入ってくるなんて…ありえない…。
さっき男子にスルーされた時とはワケが違うこの状況に、どうしたらいいのか分からない。
「どうするよ?」
「んーまあ、そこまでブスってワケじゃないし良いんじゃね?」
そこまでって可愛くもないって事だよね?
「つかどっちが告白すんの」
「お前だろ」
「やだよ。俺はもっと可愛いの選ぶ」
…こ、こいつら…失礼すぎ!!
胸にグサグサと突き刺さってくる言葉達に、私のイライラも最高潮に達してくる。

