これじゃあ、どこも隠れる所なんかないよ…。
改めてこのゲームに対して嫌気がさしたが、今はこの状況をどうやって切り抜けるかだ。
今女子トイレから出たら、きっと男子達に見つかってしまう。
私は体力には自信があるほうだけど、男子には適わないだろう。
かといって窓から逃げるも、小さいから出れるはずもないし、そもそもここは2階だ。
逃げ場所なんてどこにも無い。個室の中に隠れたって、すぐ見つかってしまうだろう。
いよいよ判断がつかなくなってきた私を追い込むように、男子トイレから聞こえていた声は遠ざかっていく。
かと思いきやまた近づいて、女子トイレの向こうにはすぐ男子達の声。
私はなるべく奥に身を寄せて、ギュッと目をつむった。
来る…
そう思った時には、ガラリ。
女子トイレの扉は、呆気なく開いてしまったのだった。

