一応良かった事ではあるのだけど、一気に気落ちした私はトボトボと逃げる事も忘れて歩き出す。



どうせ私は美人でも可愛くもないですよーだ…。



私より数倍可愛い知恵美ちゃんを疎ましく思いながら、私は近くの女子トイレに入っていく。



…てゆうか、女子トイレって1番の隠れ場所じゃない?



今更になって気がつく。ここなら流石に男子も入ってこれないよね。



その時だった。




「なあ、あと残り何分だ?」



!?



突然聞こえてきた男子の声に、心臓がビクリと飛ぶ。



「ああ…あと1時間30分だな」



…まだそんなにあるの?



どうやら隣の男子トイレに男子達がいるようで、私は音を立てないように男子トイレの方の壁にピタリと耳をくっつけた。