新はきっと、まだ放送室にいるはず。
新に会ったら、一言文句でも言ってやろうと意気込んで走り続ける事、早20分。
…もしかして私、方向音痴…?
新たな発見に自分で自分を呆れつつも、やっとの思いで放送室に辿り着く事が出来た。
頑張った、私……っっ!
自分で自分を称賛しながら、放送室と書かれたプレートが提げられているドアをゆっくり開けた。
ガラリ。
「…アレ、お前逃げる方じゃないの?」
放送室に響く、ドアの音。
そして、新の声。
………むかつく…。
「そんなことはどうだっていいでしょ」
新を睨みつけながら、私は躊躇なく放送室に足を踏み入れる。
「今すぐ辞めて、こんなゲーム」
「辞めるかどうかは俺次第。それに、結局お前も逃げてんだろ?」
からかうような口調に、私の怒りゲージもどんどん貯まっていく。
「…逃げるつもりなんか全然無かった!」
「あの話を聞くまでは、だろ?」
「………っ、」
やっぱり……そうなの?