「亜子、逃げよう!」


知恵美の声に、私はありえないと言った顔で振り向いた。



「な、なんでよ!別にアイツの言う事聞かなくたって、すぐに先生達とかが出動して元通りになるよ!」



そうだよ!先生達がいるじゃん!



でもそんな判断も、知恵美とその周りの状況によってかき消された…。



「…ならないよ」


「なんでよ!?」



気づけば女子は私と知恵美しかいなくて。



新が放送を切ってから5分たった頃。





「王子様の命令は、絶対だもん」




私は結局、逃げるはめになった…。





――――――
―――



「…10分たった。今から2時間。男子は女子を追いかけろ」



バチッ






王子様の命令は、





絶対。