アタシ、桜井奈々。
中学3年生。彼氏…無し。
でも、恋はしてますっ!
同じクラスの、"田中くん"に。
田中くんは、無口でシャイやし
女子と喋ることなんてほっとんどないし…。
でも、勉強もスポーツも出来て、カッコイイ。
田中くんは決してモテるタイプやないねんけど、
アタシはそんな彼が大好きですっ☆

最近、メールもしてるねんで♪

只今、給食後の放課。

田中くんの横顔を、チラっと盗み見♪

カッコイイ…
ふふっ。
なんか、ニヤケる。

「あの、さ…奈々…」
小学校から一緒のアリスやっ♪
アリスは、綺麗な顔立ちにスラっとした長い手足。
身長も、アタシより10センチくらい
高いんちゃうかな?
それに、男子にすっごいモテて…みんなの憧れ的存在♪
「なにっ?」
「…キモイ」
「えっ!?」
いきなりキモイって…!
「だって、さっきからずっとニヤケてるし」
「ば、ばれたか…」
どうしよ~、田中くんに見られてたら…。
1人でニヤケるなんて、キモイよな…。
うわあ…見てませんようにー!
「ばれたか…じゃないし。どんだけ田中のこと……んぐっ」
「っ、ちょ、ちょっと…!」
そんな、名前出したら聞こえるやんけ!
アタシは慌ててアリスの口を片手で抑えた。
もぅ…。ばれるわっ!
「ぷはぁ…もー、いきなり辞めてよー」
「だ、だってぇ…!」
「大丈夫だってー!アイツ、鈍感だし!」
「いや、でもぉ…」
バレたら片思いは終わりなんですー!
「てか、奈々って明るいキャラなのに恋すると超乙女だよねー☆」
「んなことないで!アタシは普通やでー?」
「よし、アイツに喋りかけてこいっ」
「えー、んー…無理やぁ…」
話しかけるって、大分勇気いるんですが…!
「まぁ、頑張れ~。もうすぐチャイムなるから席いくね~」
ヒラヒラと手を振って、
アリスは自分の席につく。

"田中くん"への片思いは、
まだまだ進展なさそうです…!