教室の席順は黒板に書いてあった。浅井の席は一番前の端っこで席がいっぱい列なってある場所からは一個だけはみ出ていた。

席について机の中に筆箱をいれ座った時だった。
急に足に何かが触れた。その物体に驚き思わず声を上げ下を見ると。そこには…

「ねっ…猫?」


猫は嬉しそうに鳴くとまた足にすりよってきた。猫を抱き止せ膝へ乗せると落ち着いたのか手足を折って座った。頭を撫でると気持ちよさそうに目を閉じていた。

「何で猫?」
「悲鳴が聞こえてきたから何だと思ったけど猫?」 「うん…何で?」


膝の上で呑気にあくびをしている猫を見て疑問しか浮かばなかった。すると遠慮がちにドアが開いた。


「あの、猫見なかったか?」

顔をひょこっとだしたのは綺麗な黒髪の男子だった。男の子を見るなり猫は彼に駆け出して行った。


「にぁ〜」
「あっいくら!!」


男の子は猫を抱き抱えた。そしてこちらを向きお礼を言った。ドアの方を見て誰かの名前を言っていた。


「俺、千葉花衣-チバカイこいつは猫のいくらここのクラスだ。よろしく、あと…」

千葉がドアの方を見ると誰か入ってきた。紺色の髪を掻きながら見るからに面倒な顔をしていた。


「猫は見つかったのか。もう探すの面倒だからな。」 「うん、見つかった。教室にいたんだ。見つけてくれた。」


よかったなと呟いて猫をわしゃわしゃ撫でていた。


「俺は、折原琴琶-オリハラコトハ俺もF組だ。よろしく頼む。」


すると鈴神が立ち上がって近づいてきた。


「質問何で猫の名前いくらなんだ」
「あぁ、それはこいつと始めて会ったとき俺のあげたシャケ食べてくれたから。」


それを聞いてほとんどの人はずっこけた。杉崎は窓の外を向いて、折原は呆れてようにため息をついた。急に優木が立ち上がった。


「いや、そこはたらこだろ!!」
「「……」」


この話で優木と千葉の天然が認定された。