バシッ…






誰かが男のナイフを素手で受けとめていた。
その正体は……、




浅「杉崎…君…」




杉「ちっ…、調子に乗らないでよっ!!!」



男も驚いたようで固まっていた。
杉崎の手からは大量に出血していた。
後ろから足音が聞こえ正美と麗を呼んでいた。



正「慧!!」
慧「お母さん、麗!!」



2人の顔をみて喜んだが男と杉崎を見て顔が引きつった。



杉「慧、早く2人を連れて外出て。浅井は僕が運ぶから…」
慧「わかった4号。」



慧が2人を連れて出ていく。
杉崎は出ていったのを確認すると男を軽く(?)蹴り飛ばす。
浅井はだんだんと痛みが和らぎ起き上がる。
そして気付く。



浅「(一番危険な場所ってここじゃね?)」



今浅井は隣は壁後ろも壁逆側の隣はタンスと行く手を阻まれている。
少し前には男と睨みあっている杉崎。
結論→ヤバイ。



男「ガキがふざけんなよっ…、」
杉「それはこっちのセリフ、浅井傷付けて無傷で帰れるとか………、






思うなよ…、」






最後の声音にさすがの男もびびったらしい半歩後ろに下がった。
そしてナイフをがむしゃらに振りかぶった。
杉崎は頬に少しかすったがナイフ目がけて蹴りをいれた。
するとナイフは浅井の前に落ちた。
咄嗟に浅井はナイフを拾った。



浅「ナイフ確保!!!」
杉「ありがとう、これで思う存分暴れる事ができるよ…、」
男「黙れクソガキぃいいいぃい!!!」
杉「君の方が煩いよ!!」



杉崎の蹴りが華麗に入り男はのびた。
浅井は慌て杉崎の所に駆け寄る。



浅「杉崎君大丈夫!!?」
杉「うん、大丈夫…、浅井は?」
浅「私は大丈夫、杉崎君手出して。」



杉崎の手を見ると未だに出血していた。
彼の手は紅く染まっていて床も紅くなっていた。



浅「すごい出血…、」
杉「舐めれば直る…、」
浅「それじゃ医者いらないから…、」



一応応急措置としてポケットからハンカチを取り出して杉崎の手に巻いた。



浅「本当にありがとう。」
杉「別に、」



お礼を言うと杉崎は顔を背けた。
そのまま早く出るよとかいって歩きだした。
彼はそうゆう所は素直じゃない。
そう思いながら後ろを着いて行った。すると自分でさっき投げたゴミ箱につまずいた。



浅「イタタッ…、」
杉「全くドジだね…、」



呆れながらため息をつく杉崎だったが怪我をしてない方の手を差し出してくれた。



浅「ありがとう杉崎君、」
杉「気をつけてよ。」



何だかんだすごく優しい杉崎に感動した浅井だった。