正「ここよ。」


正美のあとを着いて行くとある団地についた。
普通の団地だったので拍子抜けした。



階段を登り正美がドアを開ける。
すると中から足音がして女の子が顔を出した。
その子を見てびっくりしてしまった。
なんと慧とそっくり!!じっと見ると恥ずかしそうに隠れてしまった。



正「麗自己紹介。」
麗「緒方麗です。」
浅「私は浅井菰よろしくね。」



その後は正美と麗を見ていた。
正美はまだ悩んでいる様子だった。
するとポケットに入っていたケータイが震えた。
画面には藤本と映っていた。
電話に出ると藤本の声が聞こえてきた。



藤「浅井っ今どこにいるんだ!!」
浅「あっ今、麗ちゃんを見つけたよっ!!!」
藤「本当かっ!!!」
浅「うん今水色の団地の2階にいる。」
藤「水色の団地の2階だな、って慧ちょっやめ、「もしもしボスか!?」」
浅「慧君?」



どうやら慧が藤本のケータイを奪ったらしい。
藤本のケータイからは慧の声が聞こえる。



慧「麗見つかったのか!?」
浅「うん、お母さんもね。」
慧「本当なのか!?」
浅「あっ、ちょっと待ってね。」



浅井は自分のケータイを正美に渡した。
渡された正美はおずおずといった感じでケータイを持った。

ケータイから聞こえてくる声が慧だとわかると話始めた。
麗に代わったりと微笑ましかった。



正「慧…、ごめんね。また麗と3人で暮らしましょう。」
慧「うん!!!」



麗も嬉しそうに笑っていた。
そして話終わったのかケータイを渡してきた。
お礼を言われたのでしどろもどろになりながらこちらからもお礼を言った。
この家族を見て浅井は自分の母親も同じ事を思っているのかと考えた。
正美は慧を迎えに行く準備をすると立ち上がり部屋に入った。
すると正美の叫び声が聞こえてきた。
慌て部屋に行くと正美の前には杉崎が踵落としをした男がナイフをもって振りかぶっていた。



浅井は反射的に正美を突き飛ばした。
ナイフは浅井の髪を数本切って床に刺さった。



浅「危なー…、(さすがに危ない、刺さったら死ぬ確実死ぬ!!!)」



男がナイフを引き抜いている間に正美に近づく。



浅「正美さん動けますか?」
正「大丈夫よ。」
浅「正美さん麗ちゃんを連れて早くここは私がなんとかします。」
正「でも…、」
浅「早くっ、ここで正美さんがいなくなったらっ慧君と麗ちゃんは悲しみます!!!」
正「……っ」
浅「さぁ、早くっ!!!」



正美は部屋に入り麗を抱えて上げた。
その様子を見てナイフを抜く手に力を込める。
そしてナイフが抜けると親子の方を向き歩こうとしたが男の頭にゴミ箱が飛んできた。
男は驚きと痛みのあまり短く叫んだ。
そしてゴミ箱が投げられた方をみる。



浅「2人の元へは行かせません!!」
男「このクソガキ!!」



完全に男の気は浅井に言った。
今のうちにと正美が出口に向かって走ろうとした時男が気付いてしまった。



男「逃がすかっ!!!」
正「きゃっ!!!」
浅「正美さん!?」



男は持っていたナイフを投げ正美の足をかすった。
正美はそのまま倒れた。
しまったと思い浅井は男を止めようと男の腕を掴んだが振りほどかれ壁に叩きつけられた。



浅「(ヤバイ!!、)」



そう思ったときはもう遅く、ナイフを持ち直した男が2人にナイフ振りかぶっていた。
2人の悲鳴が聞こえるがあちらこちらで激痛が走り動けない。


男のナイフが振り下ろされた瞬間に何かが親子と男の間に入ってきた。