「―――コトだけに決まってるよ、そんなの」
「…………」
「手を繋いで、距離を近づけて、熱を共感して。そうしたいから、コトと」
甘い。甘すぎる声と言葉に彼女が耐えれなくなったのかがばりとタオルケットを頭から被る。
「(うっわ、可愛い)」
惚けるような笑みを送られている彼女は必死に抵抗を見せる。姿を隠して。
それがいかに彼を喜ばしているかも気づかずに。
「隠れてどうすんの、可愛いよ」
「…っ、セクハラです」
「可愛いっていっただけで!?」
「全部です、先生は全部がセクハラです」
「……褒めてるのか」
ああ、もう。とタオルケットのなかで攻防戦を続ける彼女。ゆらゆら揺れるそれが余りにも愛らしくて手を伸ばすセクハラ男。
壊れ物でも扱うような優しい手つきでそれに腕を巻き付ける。なかで息を飲む焦った声が聞こえたがわざと無視する。

