「―――…気持ちが?」
「身体がです」
「(わー、よかった)」
トサリ、音をたてて横に身体を移動させた彼は離れた距離を直ぐにでも縮めたいのか彼女を引き寄せる。
もうどうでも良さげな顔をしている彼女は何も言わない。
「手、繋ご」
「…………」
「うん、冷たいね(冷え性)」
半ば無理矢理なかたちで手を握る彼は指と指を絡めたそれを見て満足気に微笑む。
「ね、コト」
「はい」
「コトって家に帰ったあと何してるの?」
「寝てます」
こっち向いて、という彼に渋々向き合う。寝ながらなせいで横に流れる髪が男の癖に自棄に色っぽい。
「誰と!?(男じゃないよね!!!)」
なのにその綺麗顔は何の勘違いをしたのか物凄い近い距離まで迫ってくる。ちょっとホラー。
乾き始めた涙の跡を撫でる指は相変わらず優しい。

