‐彼と彼女の恋物語‐




山下あずさ。あの週刊誌に載っていた女性だ。綺麗な声もインターホン越しに聞いたものと一致する。



身体が、強ばる。



白いコートを着こなす姿は流石はモデル。タイツ越しの脚が細すぎなんじゃないかってくらい細いし、長い。



「(どうして、ここに)」



ここまで全速力で来たのだろう山下あずさは肩で息をし、長い髪を鬱陶しそうにかきあげる。



と。



「本っ当にごめんなさい!」



勢い良く土下座した。



ごつん。リアルに痛そうな音がしたが山下あずさはミーヤのために敷かれたカーペットに額をずりずりと擦りつけている。



「え……」



彼女は、唖然。なぜいきなりモデルが現れたと思ったら豪快な土下座を見せられなければいけないのか。



背後でうっわ、痛そう。と彼が呟いているがそれよりも状況説明が欲しい。



あまりにもいきなり過ぎる展開に一瞬の間ができる。が、がばっとこれまた豪快に頭を上げた山下あずさは悲惨すぎる顔をしていた。