背中に受ける視線に耐えられず隠れるようにキッチンに駆け込めば、一連の騒動ですっかり目を覚ましたらしい白猫がついてくる。
「……(かわいい)」
足に擦りよるミーヤを撫で、コーヒーの準備をする。カップの場所も豆の場所も変わってない。
本当に何も変わってないのだと改めて再認識する。
カチャカチャと生活音をたてながら準備をして早く、早くとうるさい彼のもとへ急ぐ。
「わー、小音ちゃんのコーヒーだー」
きゃっきゃと騒ぐ熊谷さんはコーヒーを受けとるなり神妙な顔つきになる。
熊谷さん独特の雰囲気に押され、そっとソファーに腰かける。ちょうど彼の向かい側に座ったので非難の声がびしびし伝わってくるが今は無視だ。
そっとカップに口をつけて熊谷さんの表情を伺う。と、がっちり視線がぶつかってしまった。
「小音ちゃん」
「……はい」
「あのさ、うん。電話があれきりで、すごく心配したんだよ」
「…すいません」

