半年前に見たときよりも若干大きくて大人びた顔つきをしている白猫は彼女の香りに誘われたように指に擦りつく。
「ん、ミーヤ来たの?」
優しい声音がすぐ上からすると思ったら少しだけ腕の力が弱まり距離が離れた。
その隙間にするりと入り込んできたミーヤは我が物顔で二人の間に座り込み小さな身体を預けた。
もしかしたら忘れてるかも。と、本当は凄く不安だったのに。
肌触りの良い白いそれに触れて久しぶりに撫でてみるとミーヤは気持ち良さそうに睫毛を伏せる。
それだけなのに。
「っ………」
涙が出てきた。
変わらずにいてくれることが、とてつもなく嬉しかったのだ。
「あーあ、ミーヤにいいとこ取りされた」
苦笑する彼は彼女の前髪を払うと頬を濡らす涙を拭う。そしてそっと、額に口づけをする。
「好きだよ」
「っ…先生」
「コトのことが、好きなんだ」
言いたいことは、結局決まってる。
「すき、です」
「―――うん、ありがと」

