熱を確かめるようなゆっくりとした行為にたどたどしくも反応を示す彼女は度々息をとめている。
後頭部に手を添えられているせいで上手く息が出来ないのだ。
息苦しさにうっすらと目を開けて彼女は気づく、ここは路上じゃないか、と。
人がいないにしてもここはビル街の一角、そんな場所で大胆にもキスなんかしている自分が恥ずかしすぎる。
思わず手を伸ばした。
「、…コト?嫌だった?」
乱れた前髪をそっと横に流して瞳を除き込むと若干の潤みがみられる。その声が不安そうで胸が締め付けられる。
「ちがい、ます」
嫌じゃない。と言わんばかりに首をふって至近距離にある綺麗顔をしっかり見つめる。
「ここ、外です」
至極当たり前のことを言ってまるで察しろという雰囲気な彼女にくすり、笑みをこぼす彼。
「そっか、外はだめだよね」
「はい」
「じゃあさ、続きは家でしよ?」
彼女の右手に絡まるそれは力強く、だけども選択肢をあたえている。
その問いにはもちろん。
「はい」

