「みんな同じくらい幸せだよ」
笑いながら柚稀は言い、左薬指の指輪を見つめる。
…もうすぐ、あの人と結婚をする。
家族になるっていう事は、これからの生活が変わるって事。
不安はいっぱいある。
でも、あの人となら大丈夫。
そう確信してる。
すると、麻友が立ち上がった。
「そろそろ、行かなきゃ。私、暁くんの手伝いしなきゃ」
「え、もうそんな時間?」
「明日開店だっけ?今度、龍と食べに行くよ」
「毎度」
幸せそうに微笑んで麻友は言った。
「じゃあ、私も時間だなぁ。13時に、幸也さんが来るから」
「2人してラブラブだね~」
奈波の冷やかしを手で払う。
でも、柚稀の顔は赤く染まっていた。
「そんな事言って。結婚するのは奈波が一番早いじゃん」
「まーね。お姉さんに、『早く嫁に来て!』な~んて言われちゃったから」
「谷原くんのお姉さん、本当に奈波の事好きだね」
奈波は笑いながら立ち上がる。
そして、3人はしばらく見つめあっていた。
「…また、こうして集まろうね」
柚稀がそう言うと、麻友と奈波は満面の笑顔を見せる。
「もちろん」
「今度は、結婚までの経緯とか話さない?」
「あ、いいね~!」
また今度、この場所で。



