「あはは、なんか照れるね」
話を終えた奈波は、笑いながら紅茶を飲み干す。
「でも…、やっぱりあの時は若かったね」
「そりゃそうだよ。17だよ?私たち、もう24じゃん」
「柚稀ぃ。それ言われると、少しへこむ」
麻友の言葉に奈波は笑った。
そして、遠い目をする。
「もう、7年だよ。あたしたちがそれぞれの彼と付き合って。…あの時は、こうして結婚するなんて考えてなかったなぁ」
「麻友なんて、川口くんが初恋だもん。初恋の相手と結婚するなんて、そうそうないよね」
「きっと、あれは運命だったんだよ」
「電車に轢かれるのが?」
「轢かれてないよ!川口くんに助けられる事が!…そんな事言ったら、奈波が実行委員長になったのも、運命だよ。じゃなきゃ、谷原くんなんて眼中になかったでしょ?」
「奈波のキューピッドは、あの時の担任だね」
「げ。あの人、あたしに実行委員長を押し付けただけなのに、感謝すべき存在になっちゃうの?」
そんな話をしながら、3人は笑い合う。
…柚稀は、微笑んで麻友と奈波を見た。
「…私、幸せ者だね。こんなふうになんでも話せる友達と出会えて、最愛の人を見つけて」
「何言ってんの、柚稀。そんな事言ったら、あたしと麻友だってそうだよ」
「うん。まぁ、一番幸せ者は私だけどね」
「何言ってんの、あたしだし」