だって、決めたじゃん。
龍にあたしの想いを伝えるって。
緊張はするけど、怖くはない。
今のあたしには、龍の気持ちがわかる気がする。
まぁ、ただの勘違いだったら恥ずかしいけど。
でも…、大丈夫。
きっと―――。いや、絶対に大丈夫。
龍は、あたしの気持ちを受け止めてくれる気がするんだ。
振り返る龍に、あたしは追いついた。
胸に手を当てて、落ち着こうとする。
――そして、龍に目を向けた。
龍の目は、笑っている。
多分、あたしが今から言う言葉をわかってる。
まったく…。こういうの、あたしは言われるのに憧れてたのになぁ。
「あたしね、龍の事―――」
―――文化祭終了の花火が上がる。
あたしたちは花火に見守られながら、抱き合った。
想いが通じ合った、秋の夜。
今日の事は、これからもずっと忘れないだろう。
龍を好きって、龍もあたしの事を好きだって伝えあったこの日を。
―――今のあたしにとって、人生で2番目に大切な想い出…。