「えーと…。身体、大丈夫?」
「え?あぁ、平気ですよ。先輩、思ったよりも軽かったし」
…それ、どういう意味よ?
「それよりも、先輩ってまだ仕事ありますよね?」
「え?あ、まぁね…」
文化祭が終わったら、後夜祭がある。
まだまだ実行委員長の仕事はある。
すると龍は友達に話をして、友達は笑顔で去って行って……て、は?
「龍…。友達、行っちゃったけど」
「知ってますよ。バカじゃあるまいし」
「…それさ、あたしがバカだって言いたいの?」
「それよりも。仕事があるなら、手伝いますよ」
「え?龍、クラスの仕事は?」
「僕の担当時間は終わりましたから。で、今は自由行動していたんです」
「じゃあ、悪いよ」
「ていうか、先輩は自由行動したんですか?」
…人の話を聞いてない奴だなぁ。
「…まぁ。少しはしたけど」
「そういえば、僕、甘味処行ってないんですよ。行きましょう」
「え!?」
あたしの有無を言わせずに、龍は手を引っ張っていく。
そんな龍の行動に、あたしはドキドキして抵抗できずにいた…。



